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書誌情報
・タイトル:『知はいかにして「再発明」されたか アレクサンドリア図書館からインターネットまで』
・著者:イアン・F・マクニーリー、リサ・ウォルヴァートン(著),冨永星(訳)
・出版社:筑摩書房
・レーベル:ちくま学芸文庫
・発売日:2025/12/12
・ページ数:400頁目次
はじめに
第1章 図書館――紀元前三世紀~西暦五世紀
第2章 修道院――一〇〇年~一一〇〇年
第3章 大学――一一〇〇年~一五〇〇年
第4章 文芸共和国――一五〇〇年~一八〇〇年
第5章 専門分野――一七〇〇年~一九〇〇年
第6章 実験室――一七七〇年~一九七〇年
結語――そしてインターネットへ
謝辞
解説 過去の声を聴く、ふたたび(長谷川一)
旧版訳者あとがき
文庫版訳者あとがき
感想
本書は西洋における「知」が生み出され、保存され、受け継がれてきた仕組みの変遷をたどる一冊で、古代から中世・近世を経て近代へと至るまで、人類がどのように知の基盤を築いてきたのかを、壮大なスケールで描き出しています。
本書が注目するのは、個々の思想家や言説ではなく、「知識を生み出し、保存し、伝える仕組み」です。
その仕組みが各時代でどのように社会的要請から生まれ、拡大し、次の時代へ受け継がれていったのかが丁寧に語られます。
取り上げられるのは、図書館・修道院・大学・文芸共和国・専門分野・実験室という6つの「知の制度」。
それぞれがどういった社会の要請から現れ、社会に影響を与えたかを解き明かすことが、本書の中心です。
登場人物は、必ずしも歴史上の著名人ばかりではありません。
しかし、彼らがどうやって人や社会と関わり、制度の組織化に貢献し、新しい知の潮流を生み出したか。
その叙述は刺激に満ちています。
専門的な内容で、分量もありますが、文章が明快で読みやすく、それほど難解な印象は受けませんでした。
本書を読むと私たちが当たり前のように利用している現代の「知」も、長い歴史の中で制度や疑似が積み重ねられた結果であることが見えてきます。
インターネットによって、誰もがかつてないほど容易に、知識にアクセスできる時代になりました。
しかし、知識へのアクセスが容易になったことと、新たな「知の制度」が生まれることは同じではありません。
では、インターネットが新しい「知」の制度となり得るのでしょうか。
私は本書を読んで、インターネットによる「文芸共和国」を夢見ました。
その可能性と課題を考えるための重要な視点を、本書は与えてくれます。
おすすめの人
・壮大な西洋の「知」の歴史に興味のある人
・思想史に興味のある人
・歴史に興味のある人