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書誌情報
・タイトル:『ギリシア・ローマ ストア派の哲人たち セネカ、エピクテトス、マルクス・アウレリウス』
・著者:國方栄二
・出版社:中央公論新社
・発売日:2019/1/10
・定価:2400円+税
・ページ数:295頁目次
はじめに
第一章 自然にしたがって生きよ―キュニコス派
第二章 時代が求める新しい哲学―ストア哲学の誕生
第三章 沸き立つローマの市民―ストア哲学の伝承
第四章 不遇の哲学者―セネカ
第五章 奴隷の出自を持つ哲人―エピクテトス
第六章 哲人皇帝―マルクス・アウレリウス
終章 ストイックに生きるために
本書を読むためのいくつかの参考書
あとがき
感想
タイトルにもある「ストア派」は、古代ギリシャの哲学学派です。
理性を重んじ、自然と一致して生きることを理想とし、感情に流されず、徳を持って生きることが幸福につながると説きました。
著者は、ストア派の源流を、キュニコス派の哲学者ディオゲネスに求めます。
そこからゼノンに始まる初期ストア派から中期ストア派を経て、セネカ、エピクテトス、マルクス・アウレリウスと続く後期ストア派に至るまで、その展開を丁寧に概観していきます。
その中で著者は各人物の思想を明らかにしていきます。
またストア派をどのような歴史的状況から影響を受けているか、詳しく解説されています。
本書を通じて強く感じたのは、ストア派が非常に古い時代のものであるにもかかわらず、すでに人間にまつわる根源的な問いを網羅しているということです。
ストア派が扱うテーマは、どれも今の時代にも通用するもので考えさせられることばかりでした。
ここに現代でもストア派が多く取り上げられている要因があります。
専門的な文章でわかりやすく書かれており、ストア派を全体像を概観するのに適した本です。
また巻末の「本書を読むためのいくつかの参考書」ではテーマごとにたくさんの本が紹介されております。
次に読むべき本がわかりやすく紹介されていて、親切です。
ギリシア哲学に興味のある方におすすめなのはもちろん、少し立ち止まって人生を考えるきっかけとしても価値のある本です。