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書誌情報
・タイトル:『小売ビジネス 消費者から業界関係者まで楽しく読める小売の教養』
・著者:中井彰人,中川朗(著)
・出版社:クロスメディア・パブリッシング
・発売日:2025/4/25
・定価:1680円+税
・ページ数:216頁目次
はじめに
第1章 近現代史から学ぶ日本市場のガラパゴスな世界
第2章 チェーンストアから学ぶ小売の栄枯盛衰の世界
第3章 食品ディスカウンターに学ぶ覇権争いの世界
第4章 変化対応力から学ぶ小売専門店の世界
第5章 ネットスーパーから学ぶECの世界
第6章 インバウンド需要から学ぶアウトバウンドビジネスの世界
第7章 メーカーと問屋から学ぶ物流システムの世界
第8章 データから学ぶ小売DXの世界
第9章 最新テクノロジーから学ぶ未来の小売世界
おわりに 小売の細部に神が宿る⁉
感想
私は個人的に小売業がとても好きです。
小売は私たちの生活には欠かすことのできない存在であり、常に変化に富んでいます。
顧客としてモノを買うのも、店員として販売するのもとても楽しく、両面で魅力を感じます。
そんな小売業の本質や魅力を知るのに最適な本が刊行されました。
本書では9つの視点から小売について学びます。
読み終わる頃には小売の歴史から現在、未来まで大づかみに理解できる内容になっています。
本書の冒頭では、「図 小売業売上高ランキング 2000年と2024年の現状」という図が掲示されています。
これを見ると2000年当時の上位企業の多くがが経営破綻や買収といった形で変化しています。
いかに小売の流行り廃りが激しいかがよくわかります。
著者は以下のように述べます。
「消費者の生活スタイルは、時代の産業構造や技術革新の進展によって、これまでも大きく変化し、求められる小売業のかたちも変わってきました。」
はじめに 3頁
この言葉からも、冒頭のランキングの激しい変遷が、消費者のライフスタイルの変化に直結していることが理解できます。
それでは現在求められている形はどのようなものなのでしょうか?
実績から考えていくと現在の上位企業はほとんどが専門店になるようです。
もはや中途半端な総合業態は通用せず、専門的なコアを持ち、かつ品揃えや立地などで幅広く展開できる企業が強いということでしょうか。
この書では数多の新しい業態や最新の小売の技術が紹介されています。
それらを読んでいると小売の未来は明るいなと感じます。
一方、課題も少なくありません。
物流の効率化や人手不足など、他の産業と同じように解決すべき課題を抱えています。
それらを解決するのもまたテクノロジーなのでしょう。
内容が充実しているので、個人的にはもっと分厚くてもいいかなと思いますが、その分コンパクトさが重視されています。
読みやすいので小売業を知りたい人ならどんな方にもおすすめできます。