歴史

『図解ハンザ 楽しいハンザの文化史案内』

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書誌情報

・タイトル:『図解ハンザ 楽しいハンザの文化史案内』
・著者:ハインツ=ヨアヒム・ドレーガー(作),中島大輔(訳)
・出版社:朝日出版社
・発売日:2025/4/1
・定価:3000円+税
・ページ数:100頁

目次


感想

ハンザの歴史と文化史的な側面を、かわいいイラストと文で描き出した絵本です。

ハンザとは中世のバルト海・北海沿岸地域で活動したドイツ系商人都市の広域的な連合のことです。

彼らは商業都市リューベックを中心として西ドイツからロシアまで広く展開し、最盛期には200の都市が参加していました。

海上交易で活発に活動し、北ヨーロッパの各都市で商業特権を獲得して盛んな商業活動を行いました。

かつてはハンザ同盟と呼ばれていましたが、実態はかなりゆるい連合だったことがわかってきています。

このような比較的専門的な中世西欧史のテーマを絵本という形態で扱うのはかなり珍しい試みではないでしょうか。

本書は絵本形式であることで普通の研究書ではわからないような、ハンザ商人の生き生きとした日常生活を見ることができます。

煉瓦の作り方、多種多様な職人たち、重い荷物を運ぶ姿など、イラストだからこそ彼らの息吹が感じられます。

気軽に読める絵本でありながら充実した内容なので、中世ヨーロッパ史やドイツ文化圏に興味のある方はぜひ手にとってみてください。

あと一冊

ポイント

この絵本を読んで、ハンザ同盟のことが気になった方はこちらの歴史書を読んでみてください。数百年に渡るハンザの歴史、そもそもハンザ同盟とは何なのか、どうやって終焉したのか、ハンザ同盟のことがよくわかります。

  • この記事を書いた人

yutoya

書肆北極点店主。本を紹介する人。本が好きです。

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