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『古代文字を解読していたら、研究に取り憑かれた話』

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書誌情報

・タイトル:『古代文字を解読していたら、研究に取り憑かれた話』
・著者:大城道則、大山祐亮、青木真兵(著)
・出版社:ポプラ社
・発売日:2025/11/19
・ページ数:255頁

目次

はじめに
古代文字を解読する言語学者の話 大山祐亮
古代文字を解読するエジプト考古学者の話 大城道則
古代文字を解読する古代地中海研究者の話 青木真兵
おわりに

感想

3人の古代文字研究者による自伝的エッセイを収めた一冊です。

古代エジプト、フェニキア、スラブ語と、それぞれ専門とする分野は異なりますが、研究者として歩んできた人生は三者三様で、どれも実に個性的です。

三人に共通しているのは、最初から明確な目標を持って研究の道に入ったわけではないという点でしょう。

偶然の出会いをきっかけに研究の世界へ足を踏み入れ、何が正しいのかも分からない五里霧中の状態のなかで前へ進み続けていきます。

その過程で遠くへ移動し、生活のために様々な仕事や挑戦を重ねていき、今もその日々は続いています。

古代文字の研究で生きていくことは、やはり簡単なことではないのだと感じさせられます。

それでも本書からは、研究者たちの強い熱がはっきりと伝わってきます。

好きだからこそ続けている。

その情熱が文章の端々からひしひしと伝わってきます。

読み進めていくと、古代文字の解読や言語研究に関する話題も登場します。

それらの記述もまた、不思議な輝きを放っています。

学術書として整理された知識というより、研究の現場から直接届いた声のような生々しさがあるからでしょう。

研究者がどのような興味を抱き、どんな瞬間に面白さを感じているのかが、そのまま伝わってきます。

こうした話は、厳密な専門書ではなかなか味わえないものです。

本書のようなライトなエッセイだからこそ触れられる知識だと言えるでしょう。

私自身も、決して潜在的な読者が多いとは言えない分野に取り組んでいます。

そのため、本書に描かれた著者たちの経験には大いに励まされました。

研究とは必ずしも大勢のためにあるものではありません。

それでも誰かが情熱をもって続けているからこそ、人類の知は少しずつ広がっていくのだと感じさせてくれる一冊でした。

おすすめの人

・古代文字、言語学に興味のある人
・研究生活の実態を知りたい人
・極まった知的好奇心の行く末を知りたい人

あと一冊

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ポイント

スラブ語の研究者にして、外国語学習を究める人。黒田龍之助さんの初期の語学エッセイ。外国語を学ぶことが楽しさに満ちていることが伝わる一冊です。

  • この記事を書いた人

yutoya

書肆北極点店主。本を紹介する人。本が好きです。一冊読んだら十冊読みたくなる、本がつながっていく感じも好きです。

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