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※本記事の執筆には、生成AIを補助的に使用しています。

「数十年に一度」の雨が、毎年降る時代に
「記録的な大雨」「数十年に一度の豪雨」「これまでに経験したことのない雨」。
ニュースでは、最大級の表現が毎年のように繰り返されています。
めったに起こらないはずの出来事が、なぜこれほど頻繁に発生するのでしょうか。
地球温暖化が原因だとすれば、今後も豪雨は増え続けるのでしょうか。
そして警報や避難情報が出されたとき、私たちは何を手がかりに行動を決めればよいのでしょう。
豪雨災害を理解するには、降ってくる雨だけを見ていても足りません。
空の中で雨が生まれる仕組み、その雨を災害へ変える土地の条件、危険を観測し社会へ伝える制度までを、一続きのものとして考える必要があります。
今回は、豪雨の科学を知る一冊、被害の実態と備えを考える一冊、そして気象情報を生み出す組織を捉え直す一冊を紹介します。
空から足元へ、さらにその間をつなぐ社会へ。
三つの方向から豪雨災害を見ていきましょう。
①『極端豪雨はなぜ毎年のように発生するのか』―豪雨が発生するその仕組み
雨を「異常」の一言で片づけない
極端な豪雨が起きるたびに、私たちはそれを「異常気象」と呼びます。
しかし、異常という言葉だけでは、実際に何が起きているのかはわかりません。
本書は近年の豪雨災害を振り返りながら、水蒸気が雲となり、積乱雲が発達し、大量の雨を降らせるまでを基礎から説明します。
梅雨前線、台風、地形、そして積乱雲が繰り返し生まれる線状降水帯。
豪雨を生み出す条件を一つずつ知ることで、突然現れたように見える大雨にも、そこへ至る過程があることが見えてきます。
温暖化は豪雨をどう変えるのか
本書のもう一つの柱が、地球温暖化と豪雨の関係です。
ある豪雨をそのまま「温暖化のせい」と断定することはできません。
一方、気温の上昇によって大気中の水蒸気が増えれば、雨をより強くする条件が整うのも確かです。
本書は、温暖化が個々の異常気象の発生確率や強度に与えた影響を検証する、イベント・アトリビューション研究も紹介します。
豪雨を過度に単純化せず、かといって変化を見過ごさない。
その視点を得たところで、次に考えたいのは、激しい雨がどのように人間の被害へ結びつくかです。
↓こちらから、書肆北極点による本書の紹介記事が読めます。
②『豪雨災害から身を守る』―防災をどう考えるか
豪雨と豪雨災害は同じではない
強い雨が降ることと、災害が発生することは同じではありません。
本書は災害を、豪雨という「誘因」と、地形や土地利用などの「素因」が組み合わさって生じるものとして捉えます。
川の近くでは洪水、低地では内水氾濫、斜面の近くでは土砂災害というように、被害の形は場所によって異なります。
著者が繰り返すのは、「起こりうること」が「起こりうる場所」で起きているという事実です。
災害を予想外の不幸としてではなく、自分のいる場所が持つ条件から考え直す一冊です。
「避難すればよい」から一歩先へ
では、大雨のときには避難所へ行けばよいのでしょうか。
本書は、屋外へ移動することがかえって危険になる場合も含め、避難を一律の正解として扱いません。
必要なのは、ハザードマップやキキクルを使い、自宅や職場で起こりうる被害を平時から考えておくことです。
ただし、地図で色が塗られていない場所が必ず安全だとも限りません。
情報の意味と限界を理解して初めて、自分に合った行動を選べます。
そこで次に浮かぶのが、その判断材料を誰がつくり、どのように届けているのかという問いです。
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③『気象庁 危機と改革の時代を超えて』―豪雨対策を支える組織
天気予報の裏側にある行政
気象庁は、天気を予報する技術者の組織として思い浮かべられがちです。
しかし本書が描くのは、自然を観測するだけでなく、社会との関係を組み替えながら「防災官庁」へ変化してきた行政組織の姿です。
天気予報の自由化と気象予報士制度、地震・火山業務の拡大、自治体との連携強化。
相次ぐ災害と行政改革のなかで、気象庁は何を自らの役割と定めるのかを模索してきました。
日々目にする予報や警報の背後には、技術だけでは割り切れない制度と政策の歴史があります。
予測することと、行動を促すこと
予測の精度が上がれば、そのまま被害が減るわけではありません。
危険を早く知らせても、情報の意味が伝わらず、行動に結びつかなければ防災にはならないからです。
本書が扱う線状降水帯予測や地域との連携からは、気象庁が「当てる組織」から「社会を動かす情報をつくる組織」へ踏み出そうとする姿が見えてきます。
同時に、予測には常に不確実性があり、警告を強めればよいという単純な問題でもありません。
自然と市民の間に立つ組織を見ることで、私たちが受け取る情報の重みも違って見えてきます。
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豪雨災害を知るということ
一冊目が見せるのは、空の中で豪雨がつくられる過程です
。二冊目は、その雨が土地や人の行動と結びつき、災害へ変わる過程を明らかにします。
そして三冊目は、目に見えない危険を観測し、予測し、社会が使える情報へ変えようとする組織を描きます。
三冊を通して見えてくるのは、豪雨災害が自然現象だけで完結する単純なものではないということです。
雨を止めることも、予報から不確実性をなくすこともできません。
しかし、自分のいる土地を知り、情報の意味を読み取り、危険が迫る前に選択肢を考えておくことはできます。
求められるのは、恐れないことでも、むやみに恐れることでもなく、何がわかり、何がまだわからないのかを引き受けながら判断することなのでしょう。
空から降ってきた雨が災害になるまでには、いくつもの分かれ道があります。
その分かれ道を少しでも早く見つけるために、私たちは空を見上げるだけでなく、自分の足元と、そこへ情報を届ける社会の姿にも目を向ける必要があります。


