※本記事にはアフィリエイトリンクが含まれています。
※本記事の執筆には、生成AIを補助的に使用しています。
書誌情報
・タイトル:『カタリ派―中世ヨーロッパ最大の異端』
・著者:アンヌ・ブルノン(著),池上俊一(監修),山田美明(訳)
・出版社:創元社
・レーベル:「知の再発見」双書
・発売日:2013/8/26
・ページ数:142頁目次
日本語版監修者序文 池上俊一
第1章 西暦1000年を迎えたキリスト教世界
第2章 ヨーロッパのカタリ派教会
第3章 恩寵の時代
第4章 同盟を結んだ教皇とフランス国王
第5章 カタリ派の消滅
資料篇 キリストの貧者か悪魔の使徒か
感想
カタリ派を「中世最大の異端」と呼ぶとき、私たちはつい、カトリック世界の外側にいた謎めいた宗教集団のように捉えてしまう。
本書はその先入観を静かに覆し、豊富な図版とともに南仏で信仰を生きた人々の姿を紹介する一冊です。
カタリ派を「異端」の外へ連れ戻す
本書では、カタリ派は中世カトリック世界の外部にいた特異な集団ではなく、その内部で福音的な生を追求したキリスト者として描かれます。
ローマ教会の定めた正統教義から見れば異端と判定され、十字軍を派遣されました。
しかし、当事者たちにとっては、自分たちこそ使徒の清貧と福音に忠実な「善きキリスト者」でした。
このことをはっきり感じられることが、初学者から見た本書の最大の魅力です。
図案がひらく、暮らしと信仰の世界
写本、絵画、遺跡、地図などの図版が豊富で、教義だけを抽象的に説明しません。
南仏の都市や村、家々での説教、信徒と善き人たちのとの関係、女性たちの役割などを視覚的にたどれます。
そうしてカタリ派が、宗教史上の概念ではなく、具体的な生活を営んだ人々の姿として理解でき、どのような信仰実践と共同体があったのかを知ることができるでしょう。
伝説ではなく、史料の向こう
「秘密の教団」や「神秘思想の継承者」といった魅惑的な物語は、カタリ派を伝説へ遠ざけてしまいます。
本書には、十字軍と異端審問の記録が造った敵の像を相対化し、史料の向こうにいる人々の声を私たちに届けてくれます。
またコンパクトな本で、手軽に読めることも長所です。
気軽な気持ちで手に取ってみてください。
おすすめの人
・カタリ派の全体像を手軽に把握したい人
・異端に興味のある人
・中世の図版が好きな人