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ロボットはすでに隣にいる
日本の創作物では様々なロボットが活躍していますが、現代社会ではあちらこちらでロボットを見かけます。
配膳ロボットが料理を運び、掃除ロボットが床を走る。
工場や物流倉庫では、産業用ロボットが黙々と働いています。
今やロボットは、いつか訪れる未来の存在ではありません。
私たちが意識しないほどに、すでに暮らしや仕事の中へ入り込んでいます。
そこへAIの進化が重なりました。
ロボットは決められた動作を繰り返すだけでなく、周囲を認識し、自ら判断して動こうとしています。
これだけ多様な仕事をするロボットが存在する一方で、あえて役に立たないロボットも作られ、人から愛されています。
この対照的なロボットの姿から、いま何が見えてくるのでしょうか?
ロボットの今を知る3冊を紹介します。
①『ロボットビジネス』―想像以上に進んでいるロボットの世界
安藤健氏の『ロボットビジネス』は、飲食店、農業、製造業、物流、医療など、多様な現場で活躍するロボットを紹介した本です。
配膳を担当するネコ型ロボットは、すでに身近な存在になりました。
しかし、ロボットが使われているのは客席だけではありません。
調理場、自動搾乳、スマートファクトリー、手術支援、遠隔操作など、活躍の場は私たちの想像以上に広がっています。
本書を読むと、フィジカルAIはロボットの進化の一側面にすぎないことに気づかされます。
少子高齢化が進む日本では、ロボットをどのように社会へ取り入れるかが、国の未来を左右するかもしれません。
その可能性を知るための、よい入門書です。
↓こちらから本書の、書肆北極点の紹介記事が読めます。
https://shoshi-hokkyokuten.net/robot-business/
②『フィジカルAIの衝撃』―AIが現実世界へ踏み出した
田中道昭氏の『フィジカルAIの衝撃』が扱うのは、現実世界を認識し、自ら判断して動くAIです。
生成AIが文章や画像をつくるものだとすれば、フィジカルAIはモノを運び、製品をつくり、人の移動や生活を支えます。
AIがついに「身体」を持ち、画面の外へ出ようとしているのです。
それによって訪れる未来は今よりも大きく違ったものとなるでしょう。
そして、そこではロボットが現実に接するインターフェースとして活躍しているはずです。
ただし、本書の中心にあるのはロボットそのものではありません。
エヌビディアやテスラ、現代自動車などの戦略を通して描かれるのは、AIによって産業や社会の仕組みが変わる姿です。
世界がフィジカルAIの主導権を奪い合う中、日本企業にもセンサー、モーター、精密部品、製造装置などの強みがあります。
果たして日本はそれを持続的な利益へ繋げられるのでしょうか?
残された時間はそれほど多くはないのかもしれません。
AIによる現実世界への侵食は、すでに始まっています。
本書は、生成AIの次の世界と、産業構造の変化を教えてくれます。
↓こちらから本書の、書肆北極点の紹介記事が読めます。
https://shoshi-hokkyokuten.net/impact-of-physical-ai/
③『役に立たないロボット』―弱いからこそ生まれるもの
谷明洋氏の『役に立たないロボット』は、ロボットの価値を別の方向から考えます。
登場するのは、自分ではごみを拾えない「弱いロボット」、愛されるために生まれたLOVOT、出来の悪さを競うヘボコン、そして壊れたAIBOを弔う供養です。
どれも効率や生産性では測れません。
しかし、不完全だからこそ、人は助けたくなり、かわいがりたくなります。
ロボットが人を助けているのか、人がロボットを助けているのか。
読み進めるうちに、その境界がわからなくなってきます。
人間もまた、誰かを支え、誰かに支えられて生きる存在です。
「役に立つこと」だけが存在の価値なのか。
本書はロボットを通して、私たち自身へ問いかけています。
↓こちらから本書の、書肆北極点の紹介記事が読めます。
https://shoshi-hokkyokuten.net/useless-robots/
3冊から見えてくる「ロボットの今」―実用性の先へ
『ロボットビジネス』は、すでに働いているロボットを紹介します。
『フィジカルAIの衝撃』は、AIが現実世界と産業を変える未来を描きます。
そして『役に立たないロボット』は、効率では説明できない人と機械の関係を見つめます。
AI搭載ロボットが実用を極め、利益を生む仕組みを競う一方で、働かないロボットは「役に立つことだけが存在意義なのでしょうか」と尋ねます。
ロボットの今を知ることは、機械の進化を知るだけではありません。
仕事とは何か。価値とは何か。そして、人間とは何か。それを考え直すことでもあるのです。