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『ダークパターン 人を欺くデザインの手口と対策』

ダークパターン 人を欺くデザインの手口と対策

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書誌情報

・タイトル:『ダークパターン 人を欺くデザインの手口と対策』
・著者:ハリー・ブリヌル(著),長谷川敦士(監訳),高瀨みどり(訳)
・出版社:ビー・エヌ・エヌ
・発売日:2024/5/28
・ページ数:288頁

目次

プロローグ
第1章 人を欺くデザインとは
第2章 人を搾取するための戦略
第3章 さまざまなデセプティブパターンの種類
第4章 ディセプティブパターンの弊害
第5章 ディセプティブパターンを撲滅するために
第6章 未来への歩み
エピローグ
日本語解説

感想

最近、サッカーW杯との関係でDAZNが話題になりました。

契約プランの選択画面が分かりにくく、本来は意図していなかった年間契約を誤って契約してしまったという声が相次いだためです。

今回のDAZNの件はどれくらい作為的なものだったかはわかりません。

しかし日常的にインターネットを利用していると、こういった話題は決して珍しくありません。

企業のサイトやウェブサービスを利用していてイライラさせられたり不快な思いをしたことはありませんか?

それらは、利用者の判断を特定の方向へ誘導するために意図的に設計されているのかもしれません。

画面のレイアウトやボタンの配置、文言の工夫などで消費者に誤認を与え、ユーザーを操り、自社に有利な選択へ導く手法です。

こういった手口はダークパターンと呼ばれています。

この「ダークパターン」という言葉を2010年に考案したハリー・ブリヌル氏による著作です。

長年にわたりダークパターンの実態を調査し、その危険性を訴えてきた著者が、現代のインターネットで何が起きているのかを整理し、ダークパターンの問題を提起しています。

本書では詳細にユーザーをだます手口が整理され、具体例とともに紹介されています。

しかもその実行者には誰でも知っているような有名企業が多く登場します。

ダークパターンは一部の悪質な事業者だけの問題ではなく、私たちが日常的に利用するサービスの中にも広く存在していることがわかります。

ネット上の詐欺やセキュリティに不安を感じている人はもちろん、日常的にネットを使う人なら誰でも参考になる書です。

同時に本書は、企業と消費者の関係、そしてデジタル社会における倫理について考えるきっかけも与えてくれます。

私たちはどのように判断を誘導されているのか。

誰が、どのような仕組みで人々の選択に影響を与えているのか。

本書はその実態を明らかにしてくれます。

読みやすい本なので、ITやUXデザインにあまり詳しくなくても問題なく読み進められます。

ビジネス書や社会門田氏の本を読む感覚で楽しめるでしょう。

本書を読んだ後には、自分をだますような手口を警戒できるようになるはずです。

おすすめの人

・インターネットを日常的に使う人
・大手テック企業と社会の関わりに興味のある人
・マーケティング、UXデザイン、ウェブ運営に携わる人

あと一冊

ポイント

消費者が知らずに誘導されているという点では、こちらの『修理する権利』も似ているかもしれません。いつの間にか修理する権利を忘れさせられ、商品の過剰消費に加担させる手口はダークパターンと似たものを感じます。ビックテックと社会の関わりに興味がある方はぜひ読んでみてください。

  • この記事を書いた人

yutoya

書肆北極点店主。本を紹介する人。本が好きです。一冊読んだら十冊読みたくなる、本がつながっていく感じも好きです。

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