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書誌情報
・タイトル:『カタリ派とアルビジョア十字軍 中世ヨーロッパの異端運動』
・著者:渡邊昌美
・出版社:講談社
・レーベル:講談社学術文庫
・発売日:2026/4/16
・ページ数:320頁目次
はしがき
序章 聖ベルナールの怒り
第一章 南フランスの風雲
第二章 異端カタリ派
第三章 アルビジョア十字軍
第四章 百合の紋章
後日譚
あとがき
解説 南仏に生きた人々に想いを馳せる 図師宣忠
感想
最近、講談社学術文庫に入った本書は、60年代に新人物往来社から出版されたものが改訂新版として2008年に八坂書房から発刊されたものを原本としています。
日本におけるカタリ派研究の第一人者と言える著者による書となります。
以前、ある本でカタリ派について読んだのですが、とても詳しく歴史的な経緯がよく理解できた一方で、なぜ南仏の人々がカタリ派にそこまで惹かれたかがいまひとつ分かりませんでした。
本書はその疑問に真っ向から答えてくれました。
南仏の特異性が、カタリ派が最も盛んな1200年前後よりもはるかに以前からの南仏の歴史や社会の特質が丁寧に描かれており、異端運動が根付く土壌が理解できました。
私にとっては、この南フランスの特異性を長い歴史の流れの中で描き出している点こそ、本書最大の読みどころでした。
一方、アルビジョア十字軍の経過についてはコンパクトにまとめられており、カタリ派と十字軍の全体を把握するのに最適な書です。
ただし巻末の解説によるとカタリ派の研究は近年進んでおり、最新の成果が反映されているとは言えないようです。
それでも本書はカタリ派とアルビジョア十字軍を理解するための基本書として十分読む価値があります。
おすすめの人
・キリスト教、特に異端運動に興味のある人
・中世フランス史に興味のある人