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書誌情報
・タイトル:『図説豊臣秀長 秀吉政権を支えた天下の柱石』
・著者:河内将芳
・出版社:戎光祥出版
・発売日:2025/5/8
・定価:2000円+税
・ページ数:168頁目次
はじめに
Ⅰ 戦場を駆け回る日々―小一郎長秀の時代
Ⅱ 秀吉の天下取りをささえる―美濃守長秀の時代
Ⅲ 紀州・四国、相次ぐ出陣―美濃守秀長の時代
Ⅳ 三ヶ国を領する大大名―参議秀長の時代
Ⅴ 家康従属、島津氏の平定―中納言秀長の時代
Ⅵ 豊臣政権の重鎮―大納言秀長の時代①
Ⅶ 波乱の秀吉後継問題―大納言秀長の時代②
Ⅷ 病と死、豊臣政権の落日―大納言秀長の時代③
あとがきにかえて
感想
豊臣秀長は、戦国時代から安土桃山時代にかけて活躍した武将で、豊臣秀吉の弟として知られています。
秀長に対する一般的なイメージといえば、以下のようなものではないでしょうか?
秀吉の天下統一を支えた重要な補佐役で、秀吉の時に過激な行動を抑える緩衝役として機能していた人物、そして彼の死後には豊臣政権の安定性が次第に揺らいでいった。
しかし、こうしたイメージには実はそれを裏付ける確かな史料が存在しないそうです。
この点には非常に驚かされました。
戦国武将にはよくある後代の創作ということなのでしょうか。
本書では「はじめに」でこの点について指摘しています。
しかし本の中ではこの点はあまり追求せず、現存する史料をもとに、できる限り事実に近い秀長像を描き出そうとしています。
その中で明らかになった秀長像は、秀吉の天下統一を支えた重要な補佐役、という点は従来のイメージと変わらないように思いました。
一方で、秀吉が関白職を継いでいく新たな「豊臣家」という権力構造を創り出そうとする過程で、秀長はかなり振り回されていたようです。
最終的に秀吉よりも先に亡くなってしまう秀長ですが、そういった心労や激務が彼の寿命を縮めたる一因となったのかもしれません。
来年には豊臣秀長が主人公となる大河ドラマが放映される予定です。。
はたして、どのような秀長像が描かれるか、今から楽しみです。
その予習に本書はおすすめです。